中学三年 第5回 『学習の診断分析』(数学編)
第五回診断テスト分析(数学)
【今回の診断は】
やや難しいレベルだった。問1は定番の問題。問2の(3)は見かけない問題だった。問3は(4)(5)がややこしい問題。問5の2次関数は代入して座標や直線の式を求めるまでは定番。
(3)はaを使って長さを表し、比の計算ができるかがポイントになる。関数の座標や長さを文字で表すのは入試本番でも出やすい。苦手な人はしっかり練習しておこう。問7の(1)の円を用いた証明は確実にできるようにしておきたいレベルだが、相似ではなく合同であること、「直角三角形の合同条件」を使うことで少し苦戦したかもしれない。
【入試本番まで1カ月余り】
総合は、本番に向けての最後の練習の機会になるので、それらを大切にして、入試本番に備えよう。計算が苦手なら毎日計算だけでも練習する、図形なら角度は100%できるようにする、証明も簡単な方は書けるようにするなど出来ることはまだまだある。また各問題のうち点が取れる問題は必ずある。見ただけであきらめてしまうのではなく、粘り強く解いていこう。
志望校も決まる頃になる。私立の合否が分かり、少しホッとしているかもしれないが、気を引き締めて行こう。どれだけ量をこなせるか、真剣に向き合えるかが勝負。あわてず、でも緊張感も失わずに練習していこう。
問1は計算問題。
正負の数、文字式、因数分解、平方根、2次方程式が問われた。(3)の因数分解は、x-1をMなどで置き換えて考えると楽に因数分解出来る。今回の問題はいったん展開しても因数分解が可能だが、a+bなどの場合は置き換えないと因数分解できないので注意。計算の練習を繰り返して確実に出来るようにしておこう。
問2は少し複雑な計算問題。
自然数について、数量を文字式で表す、式の意味を考える、平方根と面積、商と余りの文字式を用いて表す問題ついてなど。(1)は自然数なので正の整数を選ぶだけになる。(2)は時間を道のり÷速さでまずは表す。ただ「できるだけ簡単な式で表せ」とあるので、出来た式を通分して計算をやりきるように注意しよう。
(3)は新しいタイプの問題。
方程式x-5=21-xは何に着目した式かを答える。xは赤玉の個数と書かれているので左辺のx-5は赤玉より5個少ない白玉の個数と考えられる。また赤玉と白玉の合計21個となっているので右辺の21-xは合計から赤玉の個数を引いた白玉の個数と考えられる。答えは白玉の個数。(4)正方形の1辺の長さは面積の平方根になる。何倍かを聞かれているので割り算をする。
(5)は「割る数×商+余り」で表すことをまずは覚えておこう。5a+3と5b+4になり、この2つの式をかけてゆくと25ab+20a+15b+12となる。5で割ってゆくと商と余りが出る。
問3は図形の問題。
立体を切った図形、円周角、平行四辺形の角度、円と相似、相似な図形と面積比などが問われた。(1)は立方体なのでAB=BC=CAとなる。よって正三角形になる。(3)は平行四辺形なので対角が等しいことや、錯角などを考える。AC=AEになっているので二等辺三角形も利用しよう。
(4)は円の中に図形がある。同じ弧に対する円周角が等しいことが使えるので相似を考えよう。三角形ABEとDCEが相似だが求めたいCDの長さは分からない。ADに補助線を引くと三角形ACDとDCEが相似になるので比を計算すればよい。(5)は面積比の問題。まず色々な辺の比を出しておく。AE:EC=1:2なので、DG:GCもBH:HCも1:2になる。ADを3とするとEGは2となり、三角形EFGと三角形BFDの相似比2:3、面積比は4:9となる。DF:FGは3:2なのでDF:FG:GCは3:2:10となる。よって三角形DFBと三角形DBCの面積比は3:15=1:5となる。三角形DBCは三角形ABCの半分の面積なので、三角形ABCの面積は90となる。
問4は確率の問題。
(1)はさいころの目の出方について。「同様に確からしい」とはどういうことか考えよう。(2)二枚のカードを取り出す。樹形図がきちんと書ければよい。あとはしっかりと読んでルールを理解しよう。①はありえないので確率は0になる。
問5は2次関数の問題。
放物線のグラフが書かれている。(1)は2次関数の変化の割合。足して2次関数の係数の1/2をかければよい。(2)点Pのx座標が4と分かっている。点Qのx座標も4。2次関数に代入するだけでy座標の8が出る。2次関数は左右対称なので点Rのx座標は-4。あとは直線の式を出す。絶対出来てほしい。
(3)は点Pのx座標をaとして(2)と同じようにして点Q、点Rの座標を考えてゆく。PQの長さは点Qのy座標、QRの長さは2aとなる。PQ:QRが2:3と分かっているので比の計算をするとaが分かる。
問6は1次方程式の文章題。
A社の代金は2700+1350xとなる。B社の代金は6枚目から変わるので1800×5+1400×(x-5)となる。=でつないで方程式を計算する。解の確かめを忘れないようにしよう。
問7は図形の証明。
(1)は円と合同な三角形の問題。円の直径なのでAC=DB。直径に対する円周角なので∠ABC=∠DCB=90°になる。あと1つの角が等しいなら「直角三角形の合同条件」が使える。もう1組の角については、円なので同じ弧に対する円周角が等しいことを使う。「弧BCに対する円周角が等しいから」という表現を忘れずに書くこと。円が関係する証明は入試本番でも問われやすいし、案外簡単なものも多い。ぜひ慣れておこう。
(2)は(1)と同じ図から相似を証明する。「2組の角がそれぞれ等しい」ことを使う。仮定と直径に対する円周角なので∠ABC=∠DBF=90°になる。もう一つが分かりにくい。角の二等分線より∠BOFは∠BOCの半分、円周角の定理より∠BACは∠BOCの半分、よって∠BOF=∠BACが示せる。長めの証明になるが、円周角の定理に気づければ何とかなる。
【今回の診断は】
やや難しいレベルだった。問1は定番の問題。問2の(3)は見かけない問題だった。問3は(4)(5)がややこしい問題。問5の2次関数は代入して座標や直線の式を求めるまでは定番。
(3)はaを使って長さを表し、比の計算ができるかがポイントになる。関数の座標や長さを文字で表すのは入試本番でも出やすい。苦手な人はしっかり練習しておこう。問7の(1)の円を用いた証明は確実にできるようにしておきたいレベルだが、相似ではなく合同であること、「直角三角形の合同条件」を使うことで少し苦戦したかもしれない。
【入試本番まで1カ月余り】
総合は、本番に向けての最後の練習の機会になるので、それらを大切にして、入試本番に備えよう。計算が苦手なら毎日計算だけでも練習する、図形なら角度は100%できるようにする、証明も簡単な方は書けるようにするなど出来ることはまだまだある。また各問題のうち点が取れる問題は必ずある。見ただけであきらめてしまうのではなく、粘り強く解いていこう。
志望校も決まる頃になる。私立の合否が分かり、少しホッとしているかもしれないが、気を引き締めて行こう。どれだけ量をこなせるか、真剣に向き合えるかが勝負。あわてず、でも緊張感も失わずに練習していこう。
問1は計算問題。
正負の数、文字式、因数分解、平方根、2次方程式が問われた。(3)の因数分解は、x-1をMなどで置き換えて考えると楽に因数分解出来る。今回の問題はいったん展開しても因数分解が可能だが、a+bなどの場合は置き換えないと因数分解できないので注意。計算の練習を繰り返して確実に出来るようにしておこう。
問2は少し複雑な計算問題。
自然数について、数量を文字式で表す、式の意味を考える、平方根と面積、商と余りの文字式を用いて表す問題ついてなど。(1)は自然数なので正の整数を選ぶだけになる。(2)は時間を道のり÷速さでまずは表す。ただ「できるだけ簡単な式で表せ」とあるので、出来た式を通分して計算をやりきるように注意しよう。
(3)は新しいタイプの問題。
方程式x-5=21-xは何に着目した式かを答える。xは赤玉の個数と書かれているので左辺のx-5は赤玉より5個少ない白玉の個数と考えられる。また赤玉と白玉の合計21個となっているので右辺の21-xは合計から赤玉の個数を引いた白玉の個数と考えられる。答えは白玉の個数。(4)正方形の1辺の長さは面積の平方根になる。何倍かを聞かれているので割り算をする。
(5)は「割る数×商+余り」で表すことをまずは覚えておこう。5a+3と5b+4になり、この2つの式をかけてゆくと25ab+20a+15b+12となる。5で割ってゆくと商と余りが出る。
問3は図形の問題。
立体を切った図形、円周角、平行四辺形の角度、円と相似、相似な図形と面積比などが問われた。(1)は立方体なのでAB=BC=CAとなる。よって正三角形になる。(3)は平行四辺形なので対角が等しいことや、錯角などを考える。AC=AEになっているので二等辺三角形も利用しよう。
(4)は円の中に図形がある。同じ弧に対する円周角が等しいことが使えるので相似を考えよう。三角形ABEとDCEが相似だが求めたいCDの長さは分からない。ADに補助線を引くと三角形ACDとDCEが相似になるので比を計算すればよい。(5)は面積比の問題。まず色々な辺の比を出しておく。AE:EC=1:2なので、DG:GCもBH:HCも1:2になる。ADを3とするとEGは2となり、三角形EFGと三角形BFDの相似比2:3、面積比は4:9となる。DF:FGは3:2なのでDF:FG:GCは3:2:10となる。よって三角形DFBと三角形DBCの面積比は3:15=1:5となる。三角形DBCは三角形ABCの半分の面積なので、三角形ABCの面積は90となる。
問4は確率の問題。
(1)はさいころの目の出方について。「同様に確からしい」とはどういうことか考えよう。(2)二枚のカードを取り出す。樹形図がきちんと書ければよい。あとはしっかりと読んでルールを理解しよう。①はありえないので確率は0になる。
問5は2次関数の問題。
放物線のグラフが書かれている。(1)は2次関数の変化の割合。足して2次関数の係数の1/2をかければよい。(2)点Pのx座標が4と分かっている。点Qのx座標も4。2次関数に代入するだけでy座標の8が出る。2次関数は左右対称なので点Rのx座標は-4。あとは直線の式を出す。絶対出来てほしい。
(3)は点Pのx座標をaとして(2)と同じようにして点Q、点Rの座標を考えてゆく。PQの長さは点Qのy座標、QRの長さは2aとなる。PQ:QRが2:3と分かっているので比の計算をするとaが分かる。
問6は1次方程式の文章題。
A社の代金は2700+1350xとなる。B社の代金は6枚目から変わるので1800×5+1400×(x-5)となる。=でつないで方程式を計算する。解の確かめを忘れないようにしよう。
問7は図形の証明。
(1)は円と合同な三角形の問題。円の直径なのでAC=DB。直径に対する円周角なので∠ABC=∠DCB=90°になる。あと1つの角が等しいなら「直角三角形の合同条件」が使える。もう1組の角については、円なので同じ弧に対する円周角が等しいことを使う。「弧BCに対する円周角が等しいから」という表現を忘れずに書くこと。円が関係する証明は入試本番でも問われやすいし、案外簡単なものも多い。ぜひ慣れておこう。
(2)は(1)と同じ図から相似を証明する。「2組の角がそれぞれ等しい」ことを使う。仮定と直径に対する円周角なので∠ABC=∠DBF=90°になる。もう一つが分かりにくい。角の二等分線より∠BOFは∠BOCの半分、円周角の定理より∠BACは∠BOCの半分、よって∠BOF=∠BACが示せる。長めの証明になるが、円周角の定理に気づければ何とかなる。
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